w05-ooi-Course-map-001c.jpg毎年5月に開催される『ツアー・オブ・ジャパン』の最終ステージでお馴染みの大井埠頭ですが、聞いた事はあるけど行ったことがないというロードファンは結構いるようで、ここ数年このコースで練習走行をしている時に通りすがりの車の窓から「ここが大井埠頭の周回コースですか?」とか「走れるコースは決まっているのですか?」など、並走しながら質問を受けることが多々あります。

なので今日から始まる【大井埠頭ロードレーサー通信】の記念すべき初回は、1982年に始まった『東京国際自転車ロードレース大会』で使用されて以来、ロードレースの聖地となった『大井埠頭』の場所と練習コースを超特大版で詳細に紹介してまいります。
そしてコース紹介以降は『ツアー・オブ・ジャパン』のことや、毎週日曜日の練習の四方山話などを、ぼちぼちとゆるーくご紹介するつもりです。また上の地図は大井埠頭練習コースを表したもので、地図をクリックしてポッップアップしておくと、以降の説明が解りやすやすいかと思います。

w05-ooi-color.jpgまず最初に大井埠頭の位置ですが、左の地図のピンク色で表した、東京都の品川区と大田区にまたがる湾岸の地域で、羽田空港の北にあります。ちなみにグリーンで表したのは城南島で、練習コースは一部この区域も使います。
千葉方面から湾岸道路で来る際は『大井』で降り、横浜方面からの場合は『大井南』で降ります。また『第一京浜(国道15号線)』からは『南大井一丁目』の交差点を大井競馬場方面(東京湾方面)に向かって真っすぐ真っすぐ行って突き当たったところが大井埠頭です。
また『環七通り』使う場合は終点が大井埠頭です。

ここからは上のコース説明図に沿って紹介します。まず自走で来る場合はナップサックなどを(1)の『みなとが丘公園』の植え込みなどに置いて練習しているライダーもいますが、平和な国ならではの光景で、基本的には背負っていた方が無難です。
また自家用車で来る場合は、基本的に路上駐車は禁止(3〜5年に1度のペースで何かトラブルがあって交通課が来た時についでに駐禁をやってます。地図1〜6の地域)なので、『みなとが丘公園』の駐車場か(12)付近の『城南島海浜公園』の大駐車場を使いますが、『みなとが丘公園』は数台しかスペースが無く、夕方以外はいつも満車なので、環七で来て『城南島海浜公園』の駐車場に行った方がよいと思います(夏のキャンプやBBQシーズンはここも混雑)。またチームに所属のライダーは出来れば、チームカーに皆で乗り合わせて最少の台数で来た方が安心です。

DSC05434s.jpgでは、『大井埠頭練習コース』の基本の9kmと1エリアをプラスした11kmを一周してみましょう!基本的に海抜4〜5mのド平坦で、高速コースですが、いくつか難所や要注意ポイントがありますので追って説明して行きます。

まずは上の図の(1)からスタート。何故DSC01213.jpgここからかというと、ここには『みなとが丘公園』の大きな緑地帯があり、トイレや水飲み場も完備していて、飲料水の自販機もあるのが理由ですが、忘れてならないのは『東京国際自転車ロードレース大会』や、その後継の『ツアー・オブ・ジャパン』のゴール地DSC01566.jpgDSC05422.jpg点になっていて、大会本部や表彰台もこの公園に設置されることと、かつて同時開催されていた『市民ロード』のスタート&ゴールにもなっていたことから、ここがやはり大井埠頭コースの『起点』とも言える場所である事が最大の理由です。
またこの公園は、疲れきったライダーの憩いの場所になっています。

DSC05519.jpgDSC05566.jpgそして一路北上!(2)の北部陸橋下のUターンまではほぼ直線で、夏場の南風の時は単独でも40〜45km/h、集団では50km/hオーバーで走行が可能ですが、法定速度は守りましょう。また信号も(1)〜(2)で3箇所ありますので、反則のないように!
(2)の先は北部陸橋の下を測道に沿ってUターンをしますが、一昔前までは『東京国際ロード』のコースでもあった北部陸橋を渡りきったところ(3)でUターンのコースがレギュラーでした。平坦基調の大井埠頭のなかにあって貴重な登り下りなので、お勧めですが昨今は、信号が1つ増えるということもあって、スムースに走れる陸橋下でUターンが主流です。ちなみに陸橋上コースはプラス約500mになります。

ここまででまだ2km弱です。この先は《後編》で...!ちなみに日曜・祭日以外は本来の埠頭の姿を呈していて、トラックだらけで、ドライバーの皆さんの仕事の邪魔になるので自転車の走行はやめましょう!と、いうか実際には走行は不可能です。あしからず...。

この続きの《後編》はコチラ!

DSC01470s.jpg5月26日(日)に開催された『ツアー・オブ・ジャパン'13 東京ステージ』で、『宇都宮ブリッツェン』の栗村 修 監督の熱狂的なファンと遭遇!
まるでジャニーズのコンサートに来たかのような出で立ちで、写真を撮らせてとの一言に快く対応してくれて、とても陽気ないい感じの『追っかけ』の方でした。
ちなみにこの応援グッズは友人が作ったとのことで多少照れていましたが、満更でもない様子で、周りの観客や大会スタッフもこの陽気さにつられて皆、笑顔のいい光景でした。
最近はこんなふうにレース観戦に一工夫する観客が増えて来ていて、日本のロードレースはどんどん面白くなって行きつつあります。
DSC01481s.jpg白熱したレースの、周回の合間の楽しみ方は十人十色で皆それぞれに盛り上がっていて良いレースでした。
レース現場がが面白くなれば、選手や大会の知名度も上がり、親に連れられて来ていた子供達も「カッコいい!」と憧れて、将来より強い選手が出てくると期待できます。楽しみでたまりません!

DSC01297ss.jpgところで栗村修 氏といえば、ヨーロッパでプロ選手として活動し、帰国後は『ミヤタスバル レーシングチーム』で活躍、後にその監督となり『スキルシマノ』のコーチ兼広報を経て、現在『宇都宮ブリッツェン』の監督という、素晴らしい経歴の持ち主で、今では『ツール・ド・フランス』や『ジロ・デ・イタリア』などのJスポーツ(CS・BS)のレース中継には欠かせない名解説者としても不動に地位を築き、特にナビゲーターのサッシャ氏(DJ)とのコンビは、日本のスポーツ中継の最高峰のテンポと面白さが特徴で大人気の監督なのです。
そんな監督だから『追っかけ』がいても可笑しくはないのですが...。今回は上から3枚目の写真の中央の赤いボンネットのオリジナルのチームカーで疾走していました。
それにしても監督にも『追っかけ』がいるなんて、楽しい時代になりました。

w05-00038oii.jpg1983の春から大井埠頭でロードの練習を重ねて、今年で30年がたちました。上の写真は1987年10月に大井埠頭を走っていたら、偶然『千葉テレビ』の取材班に声を掛けられ、『最近の自転車ブーム』の取材ということで、缶コーヒー1本の出演料で取材に応じ、サービス精神満々で疾走しているところです。その日は平日で誰一人走っていませんでしたので、逃してなるものかとロケバスで必死に追いかけてきてのことでした。当時はヘルメットも競輪選手しか着用しておらず、ご覧の通り頭部が完全に無防備!マシンもクロモリの『チネリ・スーパーコルサ』でスプロケットはインデックス式の6段、サングラスは世界的に流行り始めた頃で、フランスのブルターニュの穴熊と称された英雄ベルナール・イノーが着用していた『ルディープロジェクト』、ウエアは当時大人気だったアメリカのグレッグ・レモンが所属していた『Zチーム』と、かなりナウい(?)出で立ちです......。ということで、今となっては貴重な一コマです。

w05-s-toj-003.jpg多くのライダーが1982年から1995年まで開催されていた現在の『ツアー オブ ジャパン』の前身、『東京国際サイクルロードレース』の開催がきっかけで日本のロードレースの聖地と言われるこの『大井埠頭』を、走るようになったようです。
自分もそれまでは、あのベルギーの自転車界の神様的存在のエディー・メルクスが東京オリンピックで走った皇居の周回コースを使っていましたが、貸し自転車に乗った子供達も多く、より安全な場所で走ろうということで、勝手ながら『大井埠頭』をホームコースに選択しました。
当時は後のバルセロナオリンピック代表にもなった『パルコチーム』の鈴木裕美子選手もチームメイトと疾走していたり、『サーティーワンチーム』などの実業団も、よく練習をしていました。

w05-050522ooi-finish.jpgその後も『東京国際サイクルロードレース』は大阪の『大阪国際サイクルロードレース』とともに5月後半の2週連続の日曜日に1995年まで開催され、翌年の1996年からは、大阪と東京との間にいくつかのステージを設け『ツアー オブ ジャパン(T.O.J)』が開催されるようになりました。
東京ステージでは、2010年までは当日の午前中に『市民ロードレース』が開催されていたので、自分も出走していました。ホームコースのレースだったので気合いを入れて臨んでいました。左上の写真はゴールスプリントで2位に入った...のではなく、ビリから4番目の人に追いつけずにビリから3番目でゴールしたところです。

w05minatogaoka-pa05431.jpg昨今は自転車の交通ルールも強化されていますが、反則のないように走れば、まだまだ大井埠頭は東京都内では練習には絶好の場所です。公園もコンビニ(3軒)もあるし最高です。
自分は大雨の日以外は、ほぼ毎日曜日50〜100キロの行程を周回しています。
1980年代にここを走っていたライダー達は現在ではほぼ見なくなりましたが、その当時の皆さん!若かりし頃を思い出して、また走ってみてはいかがでしょうか。出っ張ったお腹をへこましに来ませんか?
最近の若いライダーはマナーもいいし、ライダーとしての暗黙のルールも心得ているし、大学生のチームも含め集団走行のレベルも高くなって来ているので、人数は増えましたが、反って昔よりも安全に走れますし、当初の北部陸橋と南部陸橋をまわる9キロほどの周回コースとはちがい、城南島経由の11キロのコースなどもあるので変化に富んでいて走っていて楽しいと思います。仲間や友達も沢山できるし、仲間がいれば色々な練習方法でたのしめます。
そのうち、多くの大井埠頭のライダー仲間の紹介や、多彩な練習方法についても書いてゆくつもりです。お楽しみに!