title007.jpgトレーニングコースが決まりロードレーサーの乗車にも慣れて、安全走行の基本も身に付いてきたら、色々と工夫をしてトレーニングを楽しみましょう。
健康増進のために乗っている方と、レースにエントリーする目標を立てて乗っている方では、必要とする練習強度は多少違いますが、どちらも飽きないトレーニング方法が大事なことに於いては同様です。
ここではレース出場を前提に記述しますが、自転車を楽しむために乗る方にも参考になると思います。

DSC06328sssssCC.jpg初心者ロード講座.007★トレーニングをサイクルコンピュータ楽しむ。

走行を計測して数値目標をたててみよう
ただ漫然とのって走っていては、すぐに飽きてしまうし、スキルは向上しません。多くのライダーは、明確な目標をもってトレーニングしています。
例えば、『月に1000キロ乗る』とか『1回の練習に3時間乗る』とか、シンプルなものから、パワーメーターをマシンに組み込み、出力ワット数に目標を掲げるライダーや、ハートレットモニターを身体に装着して身体能力向上を目指すライダーなど様々です。しかしあまり数字に捕われても反ってストレスの元になるので、最初の内は一度のトレーニングで走る『距離』と『時間』を中心に目標を掲げるのが肝要だと思います。
近年のハイテク機器が登場するまでは、ヨーロッパのプロライダーも練習時間と距離を基準にトレーニングをしていたし、現在でもトレーニング管理は時間を中心に行っているようです。

数値目標のためにはサイクルコンピュータは必須
そこで『時間』と『距離』の目標を管理するためのツールが必要になります。以前『初心者ロード講座.003★まずは乗る前点検!』で記述したように、マシンに搭載出来るサイクルコンピュタがそれです。しかし一口に『サイクルコンピュータ』と言っても多くの種類があるので迷ってしまいますが、とりあえず初めて使う方には機能がシンプルで液晶表示の数字が大きなものが良いと思います。
コンピュータ本体は、ハンドルバーのセンターに装着し、動作をセンシングするセンサー類は、ホイールのスポークやフロントフォークなどに装着します。有線と無線(ワイヤレス)がありますが、最近ではほとんどの製品が、装着が簡単でマシンのフレームに何かと面倒をかけないワイヤレスが主流です。
基本的な機能は、総距離・区間距離・速度・平均速度・タイムの計測と表示です。装着時には製品に付いてくる換算表を見て、使用するマシンの車輪の大きさ(ホイールの大きさは基本的に27インチなので、使用するタイヤの太さ)の係数を入力します。これがあれば走っている実感が数値で残るので、トレーニングを重ねる度に楽しさが増します。
平均速度は信号で止まってばかりだと、どんどん下がってしまいますが、製品によっては車輪が回っているときのみ作動して、停車時間を含まない計測をしてくれる物もあるので購入時には色々検討してみましょう。
高価なものではナビゲーションマップなどの機能が搭載された物もありますが、最初は基本機能のみの比較的安価なものがお勧めです。実際に高速走行や集団走行では、コンピュータの表示に目を奪われていては、かなり危険ですし、他のライダーなどを落車の巻き添えにする恐れもあります。安全のためにも瞬時に速度表示などが読み取れる大きめの文字表示の製品を選択してください。

このサイクルコンピュータを装着した具体的なトレーニングのお話しは『?初心者ロード講座.008』で記述します。

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title006.jpg前回の『いざ練習走行へ!』で、ご紹介した効率的な呼吸法が、何となく理解出来たら次は効率的なペダリングや乗車姿勢などについて記述します。
最初は覚えることが沢山ありますが、どれも一度身に付けてしまえば簡単なことばかりです。練習が楽しければ夢も広がります。レースに参加したり、ツーリングに行ったりと、ますます楽しくなります。さぁ練習走行を始めましょう!
安全確認をして、ゆっくりのんびりと走りましょう。

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初心者ロード講座.006★最初に覚えたいこと。

ペダリングは引き足を意識して
実用自転車とロードレーサーの大きな違いはシューズがペダルに固定されていることです。これは漕ぐ力を効率よく且つ安全に自転車の可動部分に伝えるための仕 組みで、競技用自転車独特の『引き足』を実現するものです。これに慣れてから実用自転車に乗るとペダリングが不安定で怖くなるくらい、自転車と体の一体感 や安定性を生み出しているものなのです。

逆説的にいえば、それはそれなりに正しい漕ぎ方をしないと、足の関節や筋肉を痛める結果にもなる 可 能性があるということです。理にかなわない、いい加減なペダリングをしていると、まず踝(くるぶし)の関節が異常に疲れて炎症します。これを防ぐ正しい漕 ぎ方は、ペダルと繋がっているクランクを1回転(360度)まわす時、どの位置にペダルがあっても常に脛(すね)と足の裏の面が一定角度(ほぼ90度)に なっていることが重要です。といっても解りにくいので別の言い方をすれば、ペダルが360度回っている時に、後方部分にペダルが位置した時に踵(かかと) が、少し蹴り上がっているような感じです。つまり、歩いたり走ったりする時に後ろになった足が、地面を後ろに蹴るときの状態と同じだと思ってもいいでしょ う。
こうすることで、踝の関節は何百キロ走っても全く可動しておらず、疲労もたまらないということです。

しかし実際に角度を測っ て 漕ぐ訳にはいかないので、実現しやすいコツとしては、漕ぐ時にまず太ももの存在を意識し、ペダルが後方から上方に上がった時に、太もも全体を前に送り出 し、膝の関節のお皿をハンドルにぶつけるような気持ちで(実際には余程のことがない限りぶつかりませんが...。)漕ぐと、結果的にペダルが後方にあると きには踵が上がって、理想のペダリングになっています。
これこそが自転車界でよく言うところの『引き足』に通ずるもので、ロードバイクに乗るにあたって必須のものなのです。
『引き足』を使わないと、例えば右足が踏み込むときに同時に左足の重さも加算されてしまい自分で自分を持ち上げながら走ることになるので、長距離を走ると、その負担は計り知れません。乗り始めのこの時期にしっかり身に付けてしまいましょう!慣れてしまえば簡単なことですから...。

状況に応じた乗車姿勢練習しよう!
山岳コースは勿論、単純な周回コースでもカーブや高低差などがあり、状況に応じてのライディングフォームが求められます。低速の登りではハンドルの上を持ち、すこしサドルの後ろに座る感じで、体重を後輪に乗せるようにすると登坂力が増しますし、高速の下りではハンドルのドロッップ部分を持つか、上を持っても上体を低くしクラウチングポーズにして、サドルのやや前よりに座ると空気抵抗が減ります。またコナーでも安定したコーナリングのために、出来るだけ上体を低くし重心を下げましょう。そのときコナーの内側になるペダルは、上か前方向になるようしましょう。急なコーナーでは車体をより多く内側に倒し込みますので、路面にペダルをこすって落車の危険があります。これも早いうちに週間にしておきましょう。今年(2015年)のツールでも逃げの選手を追う追走選手が、ヘアピンターンで内側のペダルを路面に接触させて、プロとは思えぬ落車をしていました。皆さんも気をつけましょう!
またブラインドコーナーでは、安全を確保する意味でも、指先はブレーキレバーに少し掛けて、いつでも制動出来るように心がけましょう。

それから平坦を巡航する時は、サドルの中心部分の安定する位置に座り、上体のブレをなくすために腕から上体をアーチ上に固定する感じで安定さて、両足がスムースに動くようにします。上体が左右にフラつくと、本来ペダルに伝わるはずのパワーが逃げてしまい、スピードに乗れません。ぜひ、アーチを意識してみてください。

また発進時や再加速時、登坂時のダンシング(立ち漕ぎ)は、身体を左右に動かさずに、自分の身体の左右幅(肩幅)内で、自転車自体を左右に振って漕ぎましょう。これもパワーロスを防ぐことになるのは勿論のこと、最大の理由は、身体が大きく左右に振れるのは非常に危険だからです。側方通過をする車に接触したり、集団走行(レースなど)では、隣のライダーと絡んで落車の原因にもなります。これも最初の内に完全マスターをしておきましょう。

これくらいでライディングの基礎はお伝え出来たと思います。じっくりと基礎を身につけて楽しく練習をしましょう。
次回は正しく楽しい練習法や、走行中の具体的な注意事項を記述します。

title005.jpgロードバイクの乗り降りやブレーキング、ギアチェンジなど、走ることに少し慣れたら、練習コースで、走行してみましょう。
日本国内ではロードレースの練習に適したコースは欧米に比べて少ないのですが、それでもキチンと道路交通法を守って、人や車に迷惑を掛けないように走れば、練習場所は結構あります。自分は東京都に在住ですので、おもに大井埠頭や多摩川や荒川の河川敷の自転車道路なのですが、足を伸ばせば、八王子方面の『和田峠』・『大垂水峠』がありますし、神奈川県の箱根周辺や静岡県の富士五湖周辺も走りやすいところがあります。また一般の交通環境とは遮断されたクローズドのコースでしたら、有料ですが静岡県修善寺の『サイクルスポーツセンター』や、群馬県の『群馬サイクルスポーツセンター』などもあります。しかし毎週行くのも大変なので、地元に一番近い練習場所をインターネットなどで捜してみましょう。『ロードバイク』『 練習』と住んでいる地名で、検索すれば全国至る所に走れる場所があることがわかります。
ただ、最初は1周5〜10km程度の周回コースがお勧めです。何かトラブルあった際に、時間単位当たりの他のライダーと遭遇することが多い分、安心感があるからです。...では練習コースに出てみましょう!

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初心者ロード講座.005★いざ練習走行へ!

安全第一で、のんびりと走ってみよう。
自走で行く人は、ロードウエアやヘルメット、グラブ、ロードシューズを身につけ、簡単な工具や、スペアタイヤやスペアチューブや補給食や飲料水をナップサックに詰めて、また車に自転車を積んでいく人は、補給食や飲料水やスペアタイヤ、チューブは勿論のこと、一通りの工具やスタンドや、レギュラーサイズの空気入れなども積んで行きましょう。その際に忘れがちなのはヘルメットとグラブとシューズ!チェックは怠りなく!

そしてコースに出る時は、まずは周りの安全を確認!特に後方確認は重要です。多くのライダーが集まるコースでは自転車同士の事故が多いので要注意です。
周回コースならば、まず1周ゆっくり走ってみましょう!(ラインコースならば数キロ走って戻っても......。)と、言うのも、いきなり長距離は無理なのと、ハンドルの位置やサドルの位置が本当に自分の身体やフィーリングにに合っているか?を確かめるためです。5キロ、10キロと進むうちに、負担が過度にかかって疲れたり痛くなったりする部分はないか?実際に走って感じ取ってみましょう。

ライディングポジションを再点検。
サイクルショップで、しっかりと計測して、試乗して身体に合うバイクを買っても、実際に走ってみると微妙に合わないものです。それは着ているウエアの違いやシューズの違い、グラブの装着のあるなしによっても違うし、サイクルショップでの試乗と、コース上での前を見据えたクラウチングフォームでの乗車姿勢違いなどから来る違和感です。
とくにレーサーパンツのインナーパッドの厚さは、その設計思想によりメーカーごとに様々で、サドルの高さの設定に顕著に影響します。またシューズに中敷きを入れただけでも影響はでます。

また上体になかなか力が入りずらかったり、やたらに腕が疲れる場合はハンドルの幅が広すぎることが原因の可能性があります。ハンドルの幅寸は肩幅から割出して、試乗して選んだと思いますが...、ただ試乗したときと、ペダルにトルクをかけて走行した時では、背中や肩の筋肉の形も変わり、腕も脇をしぼった上体から繰り出されているので、ハンドル幅も1〜2cm狭いものが適していることもあります。でもハンドルはこの場で簡単に換えられないので、今後の検討事項にしましょう。ということで、いろいろ調整して、タイヤの空気圧も適正かチェックし、飲料水の入ったボトルをバイクに装着し、ヘルメットも忘れず冠ったら、ちょっとだけ長距離を走ってみましょう。

最初はペダリングよりも呼吸法が大事。
自転車の走行において何より大事なのは安全走行なのですが、その次に大事なのは呼吸法です。良い呼吸法をビギナーの内にしっかり身につけておけば、自転車走行がより楽しくなります。
その呼吸法とは、まずは鼻呼吸!これは日常においても呼吸の基本なのですが、風を受けながら進むライダーにとっては最重要な呼吸法です。冬場はとくに空気が乾燥してい冷たいので、口呼吸をすると気管支炎になる可能性が高く、夏場でも口に虫や、跳ね上げた小石が入ったりしてデメリットも多いのです。

鼻で勢いよく吸って、軽く開いた口からゆっくり吐くのが理想的な呼吸法です。これは車のガソリンエンジンとほぼ同じ原理で、自転車は通常の走行では有酸素運動なので、早く酸素を肺に入れるために気道の狭い鼻から吸った方が、気流が高速で体内に入り、気道の広い口から吐いた方が気流の速度が遅く、肺が酸素を充分に取り入れることが出来る時間が設けられ、効率の良い有酸素運動となるからです。

この呼吸法を最初から実行して身につけてしまえば、他のライダーよりも必ず?速く長く走れること間違いなしですし、脂肪燃焼の効率も高くなるので、ツール・ド・フランス出場を目指していないダイエット目的の方にも有効です。プロのレーサーがタイムトライアルなどで『鼻腔拡張テープ』を鼻に付けているのも鼻呼吸が如何に大事かを示しています。
このことを意識して20〜30キロを時間をかけてゆっくり走ってみましょう。何人のライダーに抜かれても自分のペースを守ってじっくりとやってみましょう。ただゆっくり走る際は、他のライダーが抜き易いように、なるべく道路の左に寄ってフラつかないように走行しましょう。

最初は低速走行で良いので、以上の基本的な動作を始めの内にしっかり身に付けてしまいましょう!いずれも慣れてしまえば自然に出来ることばかりです。

次回『初心者ロード講座.006』も練習走行の基礎の続きを、記述します。

title004.jpgさぁ!マシンやウエアやシューズ、ヘルメットなども揃って準備万端。『初心者ロード講座.003★まずは乗る前点検!』で記述した項目をチェックしたら、早速乗ってみましょう。でもいきなり練習コースにサイクリングに出るのはちょっと危険なので、前回にも書いたように、自宅の庭や自宅マンションの敷地内、または裏道の車や学童の通りの少ない安全で人に迷惑のかからない場所で、できれば一人ではなくロード経験者といっしょにマシンに慣れる訓練をしましょう。『走る』『曲がる』も大事ですが一番重要なのは『止まる』です!

DSC05098sssss02.jpg初心者ロード講座.004★ロードにデビュー!

発進時の注意事項
まずは周りの安全を確認!特に後方確認は発進時は最重要項目です。そして基本的に二輪車は、停車時に片足だけを地面につくとしたら左足が原則(左側通行の日本では...)なので、発進時にはまず右足をペダルに固定してから漕ぎ始め惰性で進行している間に左足をペダルに固定します。中には逆でないと出来ないひともいますが、できれば左足でつけるように努力しましょう。自分は右足でしかつけないので集団走行で停車した時や、レースのスタート時には周りと隊列があわなくて少し邪魔者のようです。特に一般道では信号停車時に右側の車のタイヤに足を引かれる可能性もあります。

で、最初は発進時にシューズをペダルに固定するのは、なかなか大変だとと思います。特に新品のクリート(靴のウラのパーツ)とペダルでは精度が良すぎてハマりづらいと思いますが、走っては降りてを繰り返し練習しましょう。特に降りる時の固定解除は特訓しておきましょう!かかとを外側にひねるだけで簡単に解除出来ますが、実際の危険な状況下では焦ってしまい外れずにそのまま落車なんて事があります。『ツール・ド・フランス』などに出場しているトッププロは危険を予知したら、まず適切な方のペダルを外して危険回避の態勢をとっています。これはブレーキングと同様に危険回避の第一歩です。練習の際は前方不注意にならないように!足もとばかりに気がいっていると危険が目前に迫っています!前を見て!

真っ直ぐ走ることが一番難しい!
『乗り降り』に慣れたら少し前に進んでみましょう。乗車姿勢はテレビで見てよく知っているとは思いますが、かなりの前傾姿勢です。ただ普段はブレーキの上の部分に手をのせてリラックスした姿勢で乗りましょう。ハンドルのドロップ部分を持つ時は高速巡航時や追い込んで走る時です。レース中継を見てもわかるように大集団では先頭を引く選手以外は上をもってリラックスしています。そして前を見て走り出しましょう。最初は左のレバーで操作するフロントギアはインナー(内側の小さい歯車)にして、右レバーで操作する後ろのギアはロー側(複数ある歯車のうちの内側の大きいギア)にして練習した方が安全です。軽いギアをチョイスして走った方がペダルの回転数が多くなり、その分いざという時にペダルを外しやすい下死点(ベダルが一番したに下がり、力がほぼ入らない領域)が巡ってくる回数も増えるので何かと安心です。
そしてしっかり自分の進む方向を見て軽くペダルをこいで見ましょう。最初は真っ直ぐ進む事が一番難しいはずでが、進む方向の遠くを見るほど安定して真っ直ぐ進むはずです。簡単に言ってしまえば自転車は基本的に見た方向に進むということです。真っ直ぐ!真っ直ぐ!と意識してしまうと左右にぶれる原因になります。また曲がろう!曲がろう!とするとハンドルを曲げてしまい危険です。曲がる方向に軽く視線をやると自然と体と車体が曲がる方向に傾き、その傾いた方向に物理の法則によって曲がれるのです。トッププロでも30年選手のアマチュアでも手元を見たりしているとフラついています。プロのレースで両手ばなししてウインドブレーカを着たり脱いだりしているシーンを時折見ますが、視線は手元に焦点を合わさずに、進む方向の遠くを見ているはずです。またコーナーでは密集した集団のなかにあってもカーブの出口付近を見据えて曲がって行きます。ツールなどを見る際にはそんな選手の目線にも注視して観戦してみてください。

変速は一番多い作業!
慣れてきたら今度は変速してみましょう。地形のアップダウンや風向きでも使うギア比は様々で、練習走行やレースでも頻繁に行う作業なので早めに慣れておきましょう。
フロントギアはインナー(内側にある40歯前後の小さいサイズのギア)のままで、後ろのギアを外側よりの歯数の少ない小さなギア(場合によっては大きなギアと表現する事もあります。これはサイズではなく大きな力が必要なギア、もしくは大いなる速度で走るためのギアの意味。)に徐々にしていきましょう。そしてまたローギア(内側の大きなサイズのギア)に一段階ずつ戻し、何度かその繰り返しをして変速作業に慣れていきましょう。その際にも前方の安全確認は怠らずに!この段階から手元を見ずに前方を見ながら操作する習慣をつけてしまいましょう!

そして次はその後ろのギアをローギアから1段階か2段階トップギア方向に入れておいて、フロントギアの変速をしてみましょう。フロントギアは大小のギア比の差が大きいので、ペダルの回り方がガクンッ!と極端に重くなったり軽くなったりするので、フラつかないくらいのある程度の速度が必要です。これも先程と同様にギアの上げ下げを繰り返し練習しましょう。

止まる』ということは意外に難しい。
ここまで練習して気づく事は、『止まる』ことが意外に難しいということではないでしょうか?変速しながらヨロケて、危ない!と、止まろうとしても思うようにブレーキが掛けられず、しかも止まったはいいけどペダルからシューズがなかなか外れずにあわや落車!なんて経験をした人はいませんか?
走り出しの時は止まる事なんて全く考えずに進むので、いざという時の対応が遅れてしまうのです。なので最初からハンドルの下を持つ場合でも、上を持場合でも両手の指先はブレーキレバーに軽くかけておいてください。前方がひらけていて完璧に安全なとき以外は、ブレーキレバーに触れているくらいでいいと思います。交差点やカーブなど、いつ何があっても素早く減速したり停止したりできる習慣をつけておきましょう。
街中で一般の自転車でも止まれずにヨロヨロと歩行者をどかしてすすむ人がいます。一度止まるとまた発進するのが大変なのはわかりますが、人に迷惑をかけないためにも止まるべき状況ではキチンと止まれる技術を身につけておきましょう。もっと言えば止まるべきところで止まる技術とともに、皆の安全のために止まる勇気をも持ちましょう。と、いうことです。
それから停車に際しては後方の安全も確認する必要もあります。急停止の場合後ろの自転車や車輌が追突してくることもあります。しかし急な時は後方確認などしている暇はないので、常日頃から自分が走っているときは、その周りの状況を感覚的にザックリといいので把握しておくことが必要です。慣れてくれば難しいことではありません...。

パンクの修理は必須です!
それから絶対に習得しておかなければならないのは、タイヤのパンク修理です。チューブラータイヤ(タイヤとチューブが一体になっていて、接着剤でリム〈車輪の輪っか〉に固定するタイヤ)を使っている人は、スペアタイヤを携帯してパンクしたらその予備タイヤに入れ替えるのですが、クリンチャータイヤ(別名WOタイヤ。タイヤと空気を入れるチューブが別々で、リムにはめ込むタイプのタイヤ。)を使っている人は、予備のチューブ数本を携帯してチューブそのものを差替えるか、ないしはパンク修理キットを携帯して、パンクしたチューブの穴を捜して、その穴にキットに付随しているパッチ(シール)を貼って塞ぎ、またリムにセットする方法をとります。
いずれもタイヤをリムから外す時と、はめ込む時にタイヤレバーという、小さなスティック状の工具が必要です。また両タイヤとも新品の場合かなり力のいる作業になるので、前もって何度も練習しておくことが肝要ですし、手のひらの皮膚を傷めることもありますので、肌がデリケートな人は軍手をウエストバッグやナップサックに入れておきましょう。
それから絶対に忘れてはならないのは空気入れです!フレーム(自転車の車体)に設置する40センチ程度の大きさの空気入れもありますが、昔の鉄製のフレームには適合しますが、最近のフレームは様々な形状があり車体に取付けるのが難しい場合もあるので携帯用の小さなポンプを背中のポケットに入れておくことをお勧めします。

と、いうことで乗る事に慣れたら次は練習コースで、実際に走行してみましょう。『初心者ロード講座.005』では、より実践的なことについて記述します。

w05-ooi-Course-map-001c.jpg毎年5月に開催される『ツアー・オブ・ジャパン』の最終ステージでお馴染みの大井埠頭ですが、聞いた事はあるけど行ったことがないというロードファンは結構いるようで、ここ数年このコースで練習走行をしている時に通りすがりの車の窓から「ここが大井埠頭の周回コースですか?」とか「走れるコースは決まっているのですか?」など、並走しながら質問を受けることが多々あります。

なので今日から始まる【大井埠頭ロードレーサー通信】の記念すべき初回は、1982年に始まった『東京国際自転車ロードレース大会』で使用されて以来、ロードレースの聖地となった『大井埠頭』の場所と練習コースを超特大版で詳細に紹介してまいります。
そしてコース紹介以降は『ツアー・オブ・ジャパン』のことや、毎週日曜日の練習の四方山話などを、ぼちぼちとゆるーくご紹介するつもりです。また上の地図は大井埠頭練習コースを表したもので、地図をクリックしてポッップアップしておくと、以降の説明が解りやすやすいかと思います。

w05-ooi-color.jpgまず最初に大井埠頭の位置ですが、左の地図のピンク色で表した、東京都の品川区と大田区にまたがる湾岸の地域で、羽田空港の北にあります。ちなみにグリーンで表したのは城南島で、練習コースは一部この区域も使います。
千葉方面から湾岸道路で来る際は『大井』で降り、横浜方面からの場合は『大井南』で降ります。また『第一京浜(国道15号線)』からは『南大井一丁目』の交差点を大井競馬場方面(東京湾方面)に向かって真っすぐ真っすぐ行って突き当たったところが大井埠頭です。
また『環七通り』使う場合は終点が大井埠頭です。

ここからは上のコース説明図に沿って紹介します。まず自走で来る場合はナップサックなどを(1)の『みなとが丘公園』の植え込みなどに置いて練習しているライダーもいますが、平和な国ならではの光景で、基本的には背負っていた方が無難です。
また自家用車で来る場合は、基本的に路上駐車は禁止(3〜5年に1度のペースで何かトラブルがあって交通課が来た時についでに駐禁をやってます。地図1〜6の地域)なので、『みなとが丘公園』の駐車場か(12)付近の『城南島海浜公園』の大駐車場を使いますが、『みなとが丘公園』は数台しかスペースが無く、夕方以外はいつも満車なので、環七で来て『城南島海浜公園』の駐車場に行った方がよいと思います(夏のキャンプやBBQシーズンはここも混雑)。またチームに所属のライダーは出来れば、チームカーに皆で乗り合わせて最少の台数で来た方が安心です。

DSC05434s.jpgでは、『大井埠頭練習コース』の基本の9kmと1エリアをプラスした11kmを一周してみましょう!基本的に海抜4〜5mのド平坦で、高速コースですが、いくつか難所や要注意ポイントがありますので追って説明して行きます。

まずは上の図の(1)からスタート。何故DSC01213.jpgここからかというと、ここには『みなとが丘公園』の大きな緑地帯があり、トイレや水飲み場も完備していて、飲料水の自販機もあるのが理由ですが、忘れてならないのは『東京国際自転車ロードレース大会』や、その後継の『ツアー・オブ・ジャパン』のゴール地DSC01566.jpgDSC05422.jpg点になっていて、大会本部や表彰台もこの公園に設置されることと、かつて同時開催されていた『市民ロード』のスタート&ゴールにもなっていたことから、ここがやはり大井埠頭コースの『起点』とも言える場所である事が最大の理由です。
またこの公園は、疲れきったライダーの憩いの場所になっています。

DSC05519.jpgDSC05566.jpgそして一路北上!(2)の北部陸橋下のUターンまではほぼ直線で、夏場の南風の時は単独でも40〜45km/h、集団では50km/hオーバーで走行が可能ですが、法定速度は守りましょう。また信号も(1)〜(2)で3箇所ありますので、反則のないように!
(2)の先は北部陸橋の下を測道に沿ってUターンをしますが、一昔前までは『東京国際ロード』のコースでもあった北部陸橋を渡りきったところ(3)でUターンのコースがレギュラーでした。平坦基調の大井埠頭のなかにあって貴重な登り下りなので、お勧めですが昨今は、信号が1つ増えるということもあって、スムースに走れる陸橋下でUターンが主流です。ちなみに陸橋上コースはプラス約500mになります。

ここまででまだ2km弱です。この先は《後編》で...!ちなみに日曜・祭日以外は本来の埠頭の姿を呈していて、トラックだらけで、ドライバーの皆さんの仕事の邪魔になるので自転車の走行はやめましょう!と、いうか実際には走行は不可能です。あしからず...。

この続きの《後編》はコチラ!