爽快!ロードレーサー

初心者ロード講座.006★実践で覚えたいこと。

title006.jpg前回の『いざ練習走行へ!』で、ご紹介した効率的な呼吸法が、何となく理解出来たら次は効率的なペダリングや乗車姿勢などについて記述します。
最初は覚えることが沢山ありますが、どれも一度身に付けてしまえば簡単なことばかりです。練習が楽しければ夢も広がります。レースに参加したり、ツーリングに行ったりと、ますます楽しくなります。さぁ練習走行を始めましょう!
安全確認をして、ゆっくりのんびりと走りましょう。

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初心者ロード講座.006★最初に覚えたいこと。

ペダリングは引き足を意識して
実用自転車とロードレーサーの大きな違いはシューズがペダルに固定されていることです。これは漕ぐ力を効率よく且つ安全に自転車の可動部分に伝えるための仕 組みで、競技用自転車独特の『引き足』を実現するものです。これに慣れてから実用自転車に乗るとペダリングが不安定で怖くなるくらい、自転車と体の一体感 や安定性を生み出しているものなのです。

逆説的にいえば、それはそれなりに正しい漕ぎ方をしないと、足の関節や筋肉を痛める結果にもなる 可 能性があるということです。理にかなわない、いい加減なペダリングをしていると、まず踝(くるぶし)の関節が異常に疲れて炎症します。これを防ぐ正しい漕 ぎ方は、ペダルと繋がっているクランクを1回転(360度)まわす時、どの位置にペダルがあっても常に脛(すね)と足の裏の面が一定角度(ほぼ90度)に なっていることが重要です。といっても解りにくいので別の言い方をすれば、ペダルが360度回っている時に、後方部分にペダルが位置した時に踵(かかと) が、少し蹴り上がっているような感じです。つまり、歩いたり走ったりする時に後ろになった足が、地面を後ろに蹴るときの状態と同じだと思ってもいいでしょ う。
こうすることで、踝の関節は何百キロ走っても全く可動しておらず、疲労もたまらないということです。

しかし実際に角度を測っ て 漕ぐ訳にはいかないので、実現しやすいコツとしては、漕ぐ時にまず太ももの存在を意識し、ペダルが後方から上方に上がった時に、太もも全体を前に送り出 し、膝の関節のお皿をハンドルにぶつけるような気持ちで(実際には余程のことがない限りぶつかりませんが...。)漕ぐと、結果的にペダルが後方にあると きには踵が上がって、理想のペダリングになっています。
これこそが自転車界でよく言うところの『引き足』に通ずるもので、ロードバイクに乗るにあたって必須のものなのです。
『引き足』を使わないと、例えば右足が踏み込むときに同時に左足の重さも加算されてしまい自分で自分を持ち上げながら走ることになるので、長距離を走ると、その負担は計り知れません。乗り始めのこの時期にしっかり身に付けてしまいましょう!慣れてしまえば簡単なことですから...。

状況に応じた乗車姿勢練習しよう!
山岳コースは勿論、単純な周回コースでもカーブや高低差などがあり、状況に応じてのライディングフォームが求められます。低速の登りではハンドルの上を持ち、すこしサドルの後ろに座る感じで、体重を後輪に乗せるようにすると登坂力が増しますし、高速の下りではハンドルのドロッップ部分を持つか、上を持っても上体を低くしクラウチングポーズにして、サドルのやや前よりに座ると空気抵抗が減ります。またコナーでも安定したコーナリングのために、出来るだけ上体を低くし重心を下げましょう。そのときコナーの内側になるペダルは、上か前方向になるようしましょう。急なコーナーでは車体をより多く内側に倒し込みますので、路面にペダルをこすって落車の危険があります。これも早いうちに週間にしておきましょう。今年(2015年)のツールでも逃げの選手を追う追走選手が、ヘアピンターンで内側のペダルを路面に接触させて、プロとは思えぬ落車をしていました。皆さんも気をつけましょう!
またブラインドコーナーでは、安全を確保する意味でも、指先はブレーキレバーに少し掛けて、いつでも制動出来るように心がけましょう。

それから平坦を巡航する時は、サドルの中心部分の安定する位置に座り、上体のブレをなくすために腕から上体をアーチ上に固定する感じで安定さて、両足がスムースに動くようにします。上体が左右にフラつくと、本来ペダルに伝わるはずのパワーが逃げてしまい、スピードに乗れません。ぜひ、アーチを意識してみてください。

また発進時や再加速時、登坂時のダンシング(立ち漕ぎ)は、身体を左右に動かさずに、自分の身体の左右幅(肩幅)内で、自転車自体を左右に振って漕ぎましょう。これもパワーロスを防ぐことになるのは勿論のこと、最大の理由は、身体が大きく左右に振れるのは非常に危険だからです。側方通過をする車に接触したり、集団走行(レースなど)では、隣のライダーと絡んで落車の原因にもなります。これも最初の内に完全マスターをしておきましょう。

これくらいでライディングの基礎はお伝え出来たと思います。じっくりと基礎を身につけて楽しく練習をしましょう。
次回は正しく楽しい練習法や、走行中の具体的な注意事項を記述します。