title006.jpg前回の『いざ練習走行へ!』で、ご紹介した効率的な呼吸法が、何となく理解出来たら次は効率的なペダリングや乗車姿勢などについて記述します。
最初は覚えることが沢山ありますが、どれも一度身に付けてしまえば簡単なことばかりです。練習が楽しければ夢も広がります。レースに参加したり、ツーリングに行ったりと、ますます楽しくなります。さぁ練習走行を始めましょう!
安全確認をして、ゆっくりのんびりと走りましょう。

DSC06834sssss02.jpg

初心者ロード講座.006★最初に覚えたいこと。

ペダリングは引き足を意識して
実用自転車とロードレーサーの大きな違いはシューズがペダルに固定されていることです。これは漕ぐ力を効率よく且つ安全に自転車の可動部分に伝えるための仕 組みで、競技用自転車独特の『引き足』を実現するものです。これに慣れてから実用自転車に乗るとペダリングが不安定で怖くなるくらい、自転車と体の一体感 や安定性を生み出しているものなのです。

逆説的にいえば、それはそれなりに正しい漕ぎ方をしないと、足の関節や筋肉を痛める結果にもなる 可 能性があるということです。理にかなわない、いい加減なペダリングをしていると、まず踝(くるぶし)の関節が異常に疲れて炎症します。これを防ぐ正しい漕 ぎ方は、ペダルと繋がっているクランクを1回転(360度)まわす時、どの位置にペダルがあっても常に脛(すね)と足の裏の面が一定角度(ほぼ90度)に なっていることが重要です。といっても解りにくいので別の言い方をすれば、ペダルが360度回っている時に、後方部分にペダルが位置した時に踵(かかと) が、少し蹴り上がっているような感じです。つまり、歩いたり走ったりする時に後ろになった足が、地面を後ろに蹴るときの状態と同じだと思ってもいいでしょ う。
こうすることで、踝の関節は何百キロ走っても全く可動しておらず、疲労もたまらないということです。

しかし実際に角度を測っ て 漕ぐ訳にはいかないので、実現しやすいコツとしては、漕ぐ時にまず太ももの存在を意識し、ペダルが後方から上方に上がった時に、太もも全体を前に送り出 し、膝の関節のお皿をハンドルにぶつけるような気持ちで(実際には余程のことがない限りぶつかりませんが...。)漕ぐと、結果的にペダルが後方にあると きには踵が上がって、理想のペダリングになっています。
これこそが自転車界でよく言うところの『引き足』に通ずるもので、ロードバイクに乗るにあたって必須のものなのです。
『引き足』を使わないと、例えば右足が踏み込むときに同時に左足の重さも加算されてしまい自分で自分を持ち上げながら走ることになるので、長距離を走ると、その負担は計り知れません。乗り始めのこの時期にしっかり身に付けてしまいましょう!慣れてしまえば簡単なことですから...。

状況に応じた乗車姿勢練習しよう!
山岳コースは勿論、単純な周回コースでもカーブや高低差などがあり、状況に応じてのライディングフォームが求められます。低速の登りではハンドルの上を持ち、すこしサドルの後ろに座る感じで、体重を後輪に乗せるようにすると登坂力が増しますし、高速の下りではハンドルのドロッップ部分を持つか、上を持っても上体を低くしクラウチングポーズにして、サドルのやや前よりに座ると空気抵抗が減ります。またコナーでも安定したコーナリングのために、出来るだけ上体を低くし重心を下げましょう。そのときコナーの内側になるペダルは、上か前方向になるようしましょう。急なコーナーでは車体をより多く内側に倒し込みますので、路面にペダルをこすって落車の危険があります。これも早いうちに週間にしておきましょう。今年(2015年)のツールでも逃げの選手を追う追走選手が、ヘアピンターンで内側のペダルを路面に接触させて、プロとは思えぬ落車をしていました。皆さんも気をつけましょう!
またブラインドコーナーでは、安全を確保する意味でも、指先はブレーキレバーに少し掛けて、いつでも制動出来るように心がけましょう。

それから平坦を巡航する時は、サドルの中心部分の安定する位置に座り、上体のブレをなくすために腕から上体をアーチ上に固定する感じで安定さて、両足がスムースに動くようにします。上体が左右にフラつくと、本来ペダルに伝わるはずのパワーが逃げてしまい、スピードに乗れません。ぜひ、アーチを意識してみてください。

また発進時や再加速時、登坂時のダンシング(立ち漕ぎ)は、身体を左右に動かさずに、自分の身体の左右幅(肩幅)内で、自転車自体を左右に振って漕ぎましょう。これもパワーロスを防ぐことになるのは勿論のこと、最大の理由は、身体が大きく左右に振れるのは非常に危険だからです。側方通過をする車に接触したり、集団走行(レースなど)では、隣のライダーと絡んで落車の原因にもなります。これも最初の内に完全マスターをしておきましょう。

これくらいでライディングの基礎はお伝え出来たと思います。じっくりと基礎を身につけて楽しく練習をしましょう。
次回は正しく楽しい練習法や、走行中の具体的な注意事項を記述します。

title005.jpgロードバイクの乗り降りやブレーキング、ギアチェンジなど、走ることに少し慣れたら、練習コースで、走行してみましょう。
日本国内ではロードレースの練習に適したコースは欧米に比べて少ないのですが、それでもキチンと道路交通法を守って、人や車に迷惑を掛けないように走れば、練習場所は結構あります。自分は東京都に在住ですので、おもに大井埠頭や多摩川や荒川の河川敷の自転車道路なのですが、足を伸ばせば、八王子方面の『和田峠』・『大垂水峠』がありますし、神奈川県の箱根周辺や静岡県の富士五湖周辺も走りやすいところがあります。また一般の交通環境とは遮断されたクローズドのコースでしたら、有料ですが静岡県修善寺の『サイクルスポーツセンター』や、群馬県の『群馬サイクルスポーツセンター』などもあります。しかし毎週行くのも大変なので、地元に一番近い練習場所をインターネットなどで捜してみましょう。『ロードバイク』『 練習』と住んでいる地名で、検索すれば全国至る所に走れる場所があることがわかります。
ただ、最初は1周5〜10km程度の周回コースがお勧めです。何かトラブルあった際に、時間単位当たりの他のライダーと遭遇することが多い分、安心感があるからです。...では練習コースに出てみましょう!

DSC05626sssss02.jpg

初心者ロード講座.005★いざ練習走行へ!

安全第一で、のんびりと走ってみよう。
自走で行く人は、ロードウエアやヘルメット、グラブ、ロードシューズを身につけ、簡単な工具や、スペアタイヤやスペアチューブや補給食や飲料水をナップサックに詰めて、また車に自転車を積んでいく人は、補給食や飲料水やスペアタイヤ、チューブは勿論のこと、一通りの工具やスタンドや、レギュラーサイズの空気入れなども積んで行きましょう。その際に忘れがちなのはヘルメットとグラブとシューズ!チェックは怠りなく!

そしてコースに出る時は、まずは周りの安全を確認!特に後方確認は重要です。多くのライダーが集まるコースでは自転車同士の事故が多いので要注意です。
周回コースならば、まず1周ゆっくり走ってみましょう!(ラインコースならば数キロ走って戻っても......。)と、言うのも、いきなり長距離は無理なのと、ハンドルの位置やサドルの位置が本当に自分の身体やフィーリングにに合っているか?を確かめるためです。5キロ、10キロと進むうちに、負担が過度にかかって疲れたり痛くなったりする部分はないか?実際に走って感じ取ってみましょう。

ライディングポジションを再点検。
サイクルショップで、しっかりと計測して、試乗して身体に合うバイクを買っても、実際に走ってみると微妙に合わないものです。それは着ているウエアの違いやシューズの違い、グラブの装着のあるなしによっても違うし、サイクルショップでの試乗と、コース上での前を見据えたクラウチングフォームでの乗車姿勢違いなどから来る違和感です。
とくにレーサーパンツのインナーパッドの厚さは、その設計思想によりメーカーごとに様々で、サドルの高さの設定に顕著に影響します。またシューズに中敷きを入れただけでも影響はでます。

また上体になかなか力が入りずらかったり、やたらに腕が疲れる場合はハンドルの幅が広すぎることが原因の可能性があります。ハンドルの幅寸は肩幅から割出して、試乗して選んだと思いますが...、ただ試乗したときと、ペダルにトルクをかけて走行した時では、背中や肩の筋肉の形も変わり、腕も脇をしぼった上体から繰り出されているので、ハンドル幅も1〜2cm狭いものが適していることもあります。でもハンドルはこの場で簡単に換えられないので、今後の検討事項にしましょう。ということで、いろいろ調整して、タイヤの空気圧も適正かチェックし、飲料水の入ったボトルをバイクに装着し、ヘルメットも忘れず冠ったら、ちょっとだけ長距離を走ってみましょう。

最初はペダリングよりも呼吸法が大事。
自転車の走行において何より大事なのは安全走行なのですが、その次に大事なのは呼吸法です。良い呼吸法をビギナーの内にしっかり身につけておけば、自転車走行がより楽しくなります。
その呼吸法とは、まずは鼻呼吸!これは日常においても呼吸の基本なのですが、風を受けながら進むライダーにとっては最重要な呼吸法です。冬場はとくに空気が乾燥してい冷たいので、口呼吸をすると気管支炎になる可能性が高く、夏場でも口に虫や、跳ね上げた小石が入ったりしてデメリットも多いのです。

鼻で勢いよく吸って、軽く開いた口からゆっくり吐くのが理想的な呼吸法です。これは車のガソリンエンジンとほぼ同じ原理で、自転車は通常の走行では有酸素運動なので、早く酸素を肺に入れるために気道の狭い鼻から吸った方が、気流が高速で体内に入り、気道の広い口から吐いた方が気流の速度が遅く、肺が酸素を充分に取り入れることが出来る時間が設けられ、効率の良い有酸素運動となるからです。

この呼吸法を最初から実行して身につけてしまえば、他のライダーよりも必ず?速く長く走れること間違いなしですし、脂肪燃焼の効率も高くなるので、ツール・ド・フランス出場を目指していないダイエット目的の方にも有効です。プロのレーサーがタイムトライアルなどで『鼻腔拡張テープ』を鼻に付けているのも鼻呼吸が如何に大事かを示しています。
このことを意識して20〜30キロを時間をかけてゆっくり走ってみましょう。何人のライダーに抜かれても自分のペースを守ってじっくりとやってみましょう。ただゆっくり走る際は、他のライダーが抜き易いように、なるべく道路の左に寄ってフラつかないように走行しましょう。

最初は低速走行で良いので、以上の基本的な動作を始めの内にしっかり身に付けてしまいましょう!いずれも慣れてしまえば自然に出来ることばかりです。

次回『初心者ロード講座.006』も練習走行の基礎の続きを、記述します。

DSC06412ssssss.jpg「え〜!!なにコレ!」と、思わず急停車! 折角2周回目のウォームアップも終えてこれからだという時に大井埠頭に珍風景!慌てて『みなとが丘公園』の駐車場にカメラを取りに行き撮影をしました。

ここは大井埠頭の南東の外れにある大井水産埠頭。基本的に中型クラスの冷凍貨物船が荷物の積み降ろしをする港だとのことですが、停泊していたのは東京から神戸・沖縄・台湾・香港などをクルージングする『ボイジャー・オブ・ザ・シーズ』で、聞くところによると、このクラスの大型客船は、ここよりも東京湾の奥にある旅客船専用の『竹芝桟橋』に行くには『レインボーブリッジ』の橋桁の高さが微妙に足らないので、やむを得ずここ大井水産埠頭に停泊するそうです。

DSC06460sssss.jpgDSC06379ss.jpgDSC06416ss.jpg

この一連の写真は2013年5月3日の日曜日のロードの練習中に撮影した物ですが、今年(2014年)も4月と5月に、この大井水産埠頭に臨時の港して停泊したようです。さすがに『レインボーブリッジ』の橋脚を上に延ばす訳にもいかないので、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催までには、臨海部の江東区青海のあたりに大きな港を建設するようです。
豪華客船のクルーズが流行っている昨今ですので、この臨時の港の珍風景もまだ暫くの間、この大井水産埠頭で見られそうです。

w05-ooi-Course-map-003.jpgしかしこんなに広い大井埠頭でこの珍風景は、この水産埠頭の最終コーナーから環状七号線に向う道でしか見ることが出来ず、もし水産埠頭の最終コーナーを曲がると時に、左側の安全確認を怠ると、一生遭遇することは無いことになるのです。ただこの日は大井埠頭内に都バスやタクシーが多く出入りしていて、いつもの大井埠頭とはちょっと雰囲気が違っていたので気づかない事はなかったとは思いますが...。また乗船客以外にも多くの見物客もバスを利用して来ていたようです。
でもこんなに大きな豪華客船が一カ所でしか見れないなんて倉庫群が如何に大きいかが解ります。

毎週日曜日に大井埠頭でロードの練習をしていると、多くの友達ができる以外にも、こんな珍風景にも出合えます。一度走りに来てはいかが...。

※以前、【大井埠頭ロードレーサー通信 01】に掲載した『大井埠頭ロード練習マップ』に『ボイジャー・オブ・ザ・シーズ』が停泊していた場所を印しました!

w05-ooi-bs-DSC06969.jpgw05-ooi-Course-map-002c.jpg【大井埠頭ロードレーサー通信 01】の前編では大井埠頭練習コースの約2kmまでを解説しましたが、後編ではそのおさらいと、ゴールまでの道程を詳しく紹介していきます。
前回と同様に左の『大井埠頭練習コースマップ』をポップアップウインドーにして参照してください。

『大井埠頭練習コース』は基本の9kmと、近年主流になりつつあるエリアを1つプラスした11kmがあります。尚、補給に欠かせないコンビニエンスストアは赤丸のCで表記した3箇所です。

まずは上の図の(1)の『みなとが丘公園』からスタート。そして一路北上!(2)の北部陸橋下のUターンまでは緩やかな曲線はあるもののほぼ直線で、視界も良く走りやすい地域です。大昔の定番コースの北部陸橋を渡りきったところ(3)でUターンのコースを走れば平坦基調の大井埠頭のなかにあって貴重な登り下りの練習ができますが、スムースに走れる陸橋下でUターンが最近の主流です。ちなみに陸橋上コースは+約500m距離が延びます。

DSC05580.jpgDSC05271.jpg(2)の北部陸橋下のUターンしてからは、ほぼ直線的に南下。昔は(4)のあたりは急に荒い路面になっていて、密かに『北の地獄』と呼ばれていましたが、2012年の冬頃から下水道の長期工事が始まって、2013年の9月現在でも、もっとひどい状態で約1kmに渡って路面はガタガタですのでご注意を!夏場は南南西の強風がDSC01312.jpg吹く上に路面状況も悪いのでかなりの難所です。また冬場の追い風の時はスピードは出ますが、振動が凍えた体にダメージを与えます。
2013年5月の『ツアー・オブ・ジャパン』では、この区間をどんな風に駆け抜けるのか楽しみにしていましたが、写真の通り何事も無かったように通り過ぎました。さすが百戦錬磨の強者たちです。


DSC05636.jpg(4)(5)の交差点の進行方向左側は、日曜日は門を閉じて封鎖していて車の出入りはありませんが、平日は勿論、祭日も全開なのでご注意を。そして(6)は大きな『大井税関前交差点』ですがここは(4、5)とは違い日曜日でも全開です。
この(6)(一番上の大きな写真)で『みなとが丘公園』の近くに戻って来ました。ここまでで約3.5km。乗り始めたばかりで不慣れな人はここで横断歩道を渡り同じコースを周回するか、この先ゆっくり休める緑地帯はなかなか無いので公園で休むのもいいでしょう。飲み物の自販機もありますし...。では、先を急ぎます。

DSC05706.jpgDSC05742.jpg(6)の交差点を過ぎると次の信号を左折して冷凍倉庫が建ち並ぶ『水産ふ頭』に入り、突き当たりを右折、しばらく直線でまた右折すると約5km地点です。(7)〜(8)の西向きの走りやすい広い道ですがここは左側に2箇所ほど倉庫の入り口があり、日曜でもトラックの出入りが多いので要注意です。とくに追い越して行ったトラックが直前で左折することもあるので気をつけて!

w05-ooi-jounann-burDSC05323ss.jpgそしてコースは『野鳥公園東』へと向い(8)を左折。ここからは『城南大橋』の登りです。勾配は2〜3%しかないのですが、向かい風や疲労時にはかなりキツい事もあります。しかし条件のいい時には54km/hが出た事もあります。が、その瞬間、大学の自転車部の若者に60km/hくらいで軽く抜かれてショックを受けました。という事で全長約600mの『城南大橋』、このレギュラーコースの唯一の登り下りです。

DSC05778.jpgそしてこの『城南大橋』の渡りきったさきの信号(10)が『9kmコース』と『11kmコース』の分岐点で、約6km地点です。2002年に『臨海トンネル』が開通するまでは、城南島海浜公園に行く車しか通らなかったので楽にUターンできたのですが、今ではここは『ゲートブリッジ』や『お台場』へと行き来する車が一般国道並みに通るので大変危険な場所のひとつです。
いまだに危険を搔い潜ってUターンするライダーがいますし、一端歩道で待機して信号が青になってから横断歩道を渡って折り返してゆくレーサーもいます。昔のなごりでか、地理に疎いのか、どうしてもここでUターン!と決めているようです。
このようなリスクなどを回避する意味でも、ここで左折する『11kmコース』が、断然お勧めです。実際には11.07kmあるので9周した上でコンビニでも寄れば走行距離が約100km、Uターンする『9kmコース』は11周しても99kmなので、距離を消化する上では精神的に楽ですし、風景の変化も増えます。

DSC06343.jpgw05-hanada-DSC06526.jpgとくに(10)のあたりは春には桜がとても美しく、思わず自転車を止めて見入ってしまうほどです。
またオプションとして(12)のエリア(青い点線)も走れば約1.5km上乗せになりますし、風向きによっては羽田空港に着陸する旅客機のダイナミックな光景を目の当たりに出来ます。だだしかなりの騒音なので、車が近づいても気づきずらいので、安全な路肩に止まって見てください!

w05-jounann-ooi-DSC05796.jpgそして(11)を右折して『臨海トンネル』の測道にはいります。ここまで来ればあと4km!(11)〜(13)はトンネルを高速で走って来た車と合流するので要注意です。速度超過が多いためにここでは、2周回に1回は白バイに捕まっている車がいます。またそれを避けるにも後方確認を忘れずに!ドライバーは警官と赤色灯に目を盗られて、自転車の存在は見ていませんから...。

また、この先(14)方面に向い『大田市場』の前を通り左折して『京浜大橋』経由で『京浜島』、『昭和島』を巡る全長20kmコースもあるのですが、色々とリスクが高いコースになるので、機会があったら紹介する事にして、とりあえず(13)を右折して、またすぐに左折して『城南大橋』に戻ります。ちなみに(13)(10)(C)で囲まれた三角地帯もベンチやトイレのある公園です。

DSC05811.jpgそして『城南大橋』を、今度は先程とは逆方向から登る事になります。基本的には同じような勾配ですが、どちらがキツいかというと、これが人それぞれで、距離や周りの風景でも感覚的に違うようです。自分としてはこの橋の勾配が、平地よりも得意なので大抵の場合、1周の中での最高速度はこの橋のどちらかの登りで記録されます。また下りの速度が思ったより出ないのがこの橋の特徴でもあり、それは古いコースの(3)の北部陸橋の下りも同様です。

DSC05824.jpgw05-ls-DSC07200.jpgそして『城南大橋』を渡りきって左折し先程来た道の延長線上にでます。ここは環七の起点で、コースはその測道を通り(16)を右にコーナリングして南部陸橋をアンダーパス。ここも『大田市場』出入り口の左からの合流があるので注意!そこ過ぎると50mくらい続く約3%の登りで、TOJの市民レースがあった頃は、ここが集団の前方に出やすいちょっとしたポイントで、練習中も疲れてくるとここが意外とキツかったりします。ここからがラストのストレートで『東京臨海高速鉄道』や『JR貨物』のヤードを左手に見ながら走ります。そして(17)の陸橋下を右折して、『みなとが丘公園』に戻って来ました。

DSC05834.jpgDSC05839.jpgDSC05516.jpgw05-ooi-minatogokaDSC07010.jpgこの『みなとが丘公園』では数人のライダーがひとときの休息をしたり、水道で水の補給をしたりしています。自販機やトイレや木陰のベンチもあり、たまにラテン系の楽団が練習をしていたり、緑も沢山あって都民の安らぎの場になっています。

w05-gakutai-DSC07076s.jpg以上が『大井埠頭練習コース』のな紹介でした。あなたも一度走りに来ませんか?
ちなみに日曜・祭日以外は本来の埠頭の姿を呈していて、トラックだらけで、ドライバーの皆さんの仕事の邪魔になるので自転車の走行はやめましょう!と、いうか実際には走行は不可能です。あしからず...。

《前編》から読みたい時はコチラ!


大きな地図で見る

w05-ooi-Course-map-001c.jpg毎年5月に開催される『ツアー・オブ・ジャパン』の最終ステージでお馴染みの大井埠頭ですが、聞いた事はあるけど行ったことがないというロードファンは結構いるようで、ここ数年このコースで練習走行をしている時に通りすがりの車の窓から「ここが大井埠頭の周回コースですか?」とか「走れるコースは決まっているのですか?」など、並走しながら質問を受けることが多々あります。

なので今日から始まる【大井埠頭ロードレーサー通信】の記念すべき初回は、1982年に始まった『東京国際自転車ロードレース大会』で使用されて以来、ロードレースの聖地となった『大井埠頭』の場所と練習コースを超特大版で詳細に紹介してまいります。
そしてコース紹介以降は『ツアー・オブ・ジャパン』のことや、毎週日曜日の練習の四方山話などを、ぼちぼちとゆるーくご紹介するつもりです。また上の地図は大井埠頭練習コースを表したもので、地図をクリックしてポッップアップしておくと、以降の説明が解りやすやすいかと思います。

w05-ooi-color.jpgまず最初に大井埠頭の位置ですが、左の地図のピンク色で表した、東京都の品川区と大田区にまたがる湾岸の地域で、羽田空港の北にあります。ちなみにグリーンで表したのは城南島で、練習コースは一部この区域も使います。
千葉方面から湾岸道路で来る際は『大井』で降り、横浜方面からの場合は『大井南』で降ります。また『第一京浜(国道15号線)』からは『南大井一丁目』の交差点を大井競馬場方面(東京湾方面)に向かって真っすぐ真っすぐ行って突き当たったところが大井埠頭です。
また『環七通り』使う場合は終点が大井埠頭です。

ここからは上のコース説明図に沿って紹介します。まず自走で来る場合はナップサックなどを(1)の『みなとが丘公園』の植え込みなどに置いて練習しているライダーもいますが、平和な国ならではの光景で、基本的には背負っていた方が無難です。
また自家用車で来る場合は、基本的に路上駐車は禁止(3〜5年に1度のペースで何かトラブルがあって交通課が来た時についでに駐禁をやってます。地図1〜6の地域)なので、『みなとが丘公園』の駐車場か(12)付近の『城南島海浜公園』の大駐車場を使いますが、『みなとが丘公園』は数台しかスペースが無く、夕方以外はいつも満車なので、環七で来て『城南島海浜公園』の駐車場に行った方がよいと思います(夏のキャンプやBBQシーズンはここも混雑)。またチームに所属のライダーは出来れば、チームカーに皆で乗り合わせて最少の台数で来た方が安心です。

DSC05434s.jpgでは、『大井埠頭練習コース』の基本の9kmと1エリアをプラスした11kmを一周してみましょう!基本的に海抜4〜5mのド平坦で、高速コースですが、いくつか難所や要注意ポイントがありますので追って説明して行きます。

まずは上の図の(1)からスタート。何故DSC01213.jpgここからかというと、ここには『みなとが丘公園』の大きな緑地帯があり、トイレや水飲み場も完備していて、飲料水の自販機もあるのが理由ですが、忘れてならないのは『東京国際自転車ロードレース大会』や、その後継の『ツアー・オブ・ジャパン』のゴール地DSC01566.jpgDSC05422.jpg点になっていて、大会本部や表彰台もこの公園に設置されることと、かつて同時開催されていた『市民ロード』のスタート&ゴールにもなっていたことから、ここがやはり大井埠頭コースの『起点』とも言える場所である事が最大の理由です。
またこの公園は、疲れきったライダーの憩いの場所になっています。

DSC05519.jpgDSC05566.jpgそして一路北上!(2)の北部陸橋下のUターンまではほぼ直線で、夏場の南風の時は単独でも40〜45km/h、集団では50km/hオーバーで走行が可能ですが、法定速度は守りましょう。また信号も(1)〜(2)で3箇所ありますので、反則のないように!
(2)の先は北部陸橋の下を測道に沿ってUターンをしますが、一昔前までは『東京国際ロード』のコースでもあった北部陸橋を渡りきったところ(3)でUターンのコースがレギュラーでした。平坦基調の大井埠頭のなかにあって貴重な登り下りなので、お勧めですが昨今は、信号が1つ増えるということもあって、スムースに走れる陸橋下でUターンが主流です。ちなみに陸橋上コースはプラス約500mになります。

ここまででまだ2km弱です。この先は《後編》で...!ちなみに日曜・祭日以外は本来の埠頭の姿を呈していて、トラックだらけで、ドライバーの皆さんの仕事の邪魔になるので自転車の走行はやめましょう!と、いうか実際には走行は不可能です。あしからず...。

この続きの《後編》はコチラ!

w05-00038oii.jpg1983の春から大井埠頭でロードの練習を重ねて、今年で30年がたちました。上の写真は1987年10月に大井埠頭を走っていたら、偶然『千葉テレビ』の取材班に声を掛けられ、『最近の自転車ブーム』の取材ということで、缶コーヒー1本の出演料で取材に応じ、サービス精神満々で疾走しているところです。その日は平日で誰一人走っていませんでしたので、逃してなるものかとロケバスで必死に追いかけてきてのことでした。当時はヘルメットも競輪選手しか着用しておらず、ご覧の通り頭部が完全に無防備!マシンもクロモリの『チネリ・スーパーコルサ』でスプロケットはインデックス式の6段、サングラスは世界的に流行り始めた頃で、フランスのブルターニュの穴熊と称された英雄ベルナール・イノーが着用していた『ルディープロジェクト』、ウエアは当時大人気だったアメリカのグレッグ・レモンが所属していた『Zチーム』と、かなりナウい(?)出で立ちです......。ということで、今となっては貴重な一コマです。

w05-s-toj-003.jpg多くのライダーが1982年から1995年まで開催されていた現在の『ツアー オブ ジャパン』の前身、『東京国際サイクルロードレース』の開催がきっかけで日本のロードレースの聖地と言われるこの『大井埠頭』を、走るようになったようです。
自分もそれまでは、あのベルギーの自転車界の神様的存在のエディー・メルクスが東京オリンピックで走った皇居の周回コースを使っていましたが、貸し自転車に乗った子供達も多く、より安全な場所で走ろうということで、勝手ながら『大井埠頭』をホームコースに選択しました。
当時は後のバルセロナオリンピック代表にもなった『パルコチーム』の鈴木裕美子選手もチームメイトと疾走していたり、『サーティーワンチーム』などの実業団も、よく練習をしていました。

w05-050522ooi-finish.jpgその後も『東京国際サイクルロードレース』は大阪の『大阪国際サイクルロードレース』とともに5月後半の2週連続の日曜日に1995年まで開催され、翌年の1996年からは、大阪と東京との間にいくつかのステージを設け『ツアー オブ ジャパン(T.O.J)』が開催されるようになりました。
東京ステージでは、2010年までは当日の午前中に『市民ロードレース』が開催されていたので、自分も出走していました。ホームコースのレースだったので気合いを入れて臨んでいました。左上の写真はゴールスプリントで2位に入った...のではなく、ビリから4番目の人に追いつけずにビリから3番目でゴールしたところです。

w05minatogaoka-pa05431.jpg昨今は自転車の交通ルールも強化されていますが、反則のないように走れば、まだまだ大井埠頭は東京都内では練習には絶好の場所です。公園もコンビニ(3軒)もあるし最高です。
自分は大雨の日以外は、ほぼ毎日曜日50〜100キロの行程を周回しています。
1980年代にここを走っていたライダー達は現在ではほぼ見なくなりましたが、その当時の皆さん!若かりし頃を思い出して、また走ってみてはいかがでしょうか。出っ張ったお腹をへこましに来ませんか?
最近の若いライダーはマナーもいいし、ライダーとしての暗黙のルールも心得ているし、大学生のチームも含め集団走行のレベルも高くなって来ているので、人数は増えましたが、反って昔よりも安全に走れますし、当初の北部陸橋と南部陸橋をまわる9キロほどの周回コースとはちがい、城南島経由の11キロのコースなどもあるので変化に富んでいて走っていて楽しいと思います。仲間や友達も沢山できるし、仲間がいれば色々な練習方法でたのしめます。
そのうち、多くの大井埠頭のライダー仲間の紹介や、多彩な練習方法についても書いてゆくつもりです。お楽しみに!