レイアウトの構想が決まったら、まず土台作り。

w03-lm714-boad050.jpg絵的にはとっても地味で、ただの散らかった部屋のようですが、これは、Nゲージのレイアウトの土台の制作中の様子です。手前にコーヒーがあって、何やらのんびりムードです。
先日、盛り鉄>>ゆるーく嗜む鉄道模型>>『レイアウトの設計図の前に、まずはスケッチを。』のページで、ラフスケッチを紹介した『1200×2670mm』のレイアウトを妄想の世界から抜け出して、具現化への第一歩を標してみました。と言っても1990年の初夏のことで、前回記述したように、引っ越しで未完成のまま終わったレイアウトですが、途中までの手順を紹介します。

w03-lm714-050.jpgw03-LM714zumen02.jpgw04lion-n001.jpg鉄道雑誌などでレイアウトの製作写真はよく見受けますが、完成予想図やスケッチ、図面などはあまり掲載されないので、前回と同様に、土台の段階のスケッチ(写真中央)も掲載してみました。
前回も掲載した写真右の完成予想図のスケッチから柱の位置を決め、ヨコに渡す角材や板が、センターにある取り外し可能な作業用に体を乗り出すための穴や、池や河の掘り下げ部分に交差しないように実寸で割り出し、しかもレイアウト下が収納スペースとして活用出来るよう、キャスター付きのカゴなどが収まるように配慮しました。これだけのスペースを一人で占拠するわけにはいかないので......。

工作としては至って単純で、買い揃えた角材やベニヤ板を、寸法通りにノコギリで切って、L字かなぐと木工用のネジでユニットごとに組み立てるだけのことですが、ここで大事なのは、このようにサイズが大きい場合には強度がかなり必要なので金具とネジは惜しまず使い、出来れば邪魔にならない裏側などに筋交いの角材を入れると安心です。作業が進み山などを作り込む際に、土台に体重をかけることもありますので、強度は確実に確保しておくことが肝要です。

w03-lm714026ss.jpgまた作ったあとで解った事ですが、線路を敷いて車輌を走らせるためには、かなりのリード線が必要になります。そのリード線が下にビロビロとぶら下がっては事故の元なので、何本も渡してあるヨコ板にそのリード線を効率的に通す穴をいくつも開けておく事が必要です!きちんと計画を立てて必要な所だけ開ければ良いのですが、レイアウトを盛って行く段階でどのように展開するか、不確定な要素も有りますので、あちこちに始めから開けておく事をお勧めします。
実際このレイアウトでは、約30個のポイントマシンそれぞれに4本のリード線が付き、それだけで120本。また線路への電力、信号機や街と建造物などの明かりなどで、合計で200本以上のリード線が必要でした...。レイアウトの下はそれはそれは大騒ぎの状態で、仕方なく後から穴をいくつか開けましたが、潜り込んでの作業には難儀しました。

ということでレイアウト作りは楽しいものですが、ある程度の計画性と想像力とが必要ということです。むしろ計画している時の、空想と妄想が一番楽しかったりしますが...。この続きはまた後日。

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どうしても走らせたくて、六畳一間の狭小スペースで作ったてんこ盛りのレイアウト。

w03k-m-ootsuka.jpgのサムネイル画像Nゲージの車輌コレクションはあっても、レイアウトに手を出すのは、大変そうだなぁ...。と思っている貴方!小さなスペースでも手軽に、充分楽しいレイアウトが作れます。とにかく始めて見ましょう!

斯く言う私も、面倒くさがり屋で到底レイアウトに手を出すなんて考えた事もなかったのですが、昭和54年(1979年)のある日のこと、ぶらっと寄った近所の模型店『グリーンマックス』で、冷やかし半分に買ったキハ82を毎日眺めていたら、どうしても走らせたくなって、ベッドと机と本棚で目一杯だった六畳一間に、夢と妄想を凝縮したレイアウトを作ってしまいました。

w03k-s-ootsuka02.jpg当時はレイアウトの作り方の参考になる本は、月刊誌の『鉄道模型趣味』か、ハードカバーで少々値が張るレイアウトの作り方のHow to本しかなく、中学生の時に所属していた理工部の鉄道模型部門の、先輩方が作ったHOゲージの広大なレイアウトの記憶を辿りつつ、あとはアドリブで作ってみました。

まずは仕事柄使い慣れていたB全判(B1サイズ=1030×728mm)の水張り用のパネルを行きつけの画材店で2枚購入し、近所のホームセンターでたまたまバーゲンセールをしていた檜の角材を数本と、釘と金槌、のこぎりなど基本的な日曜大工道具を購入。
角材でザックリと土台を作って、そのうえにパネルを2枚敷いて、2〜3時間でベースが完成!この状況を解りやすく描写すれば、駅のコンコースなどに貼ってある大きなポスターが、ど〜んと六畳一間の中心に敷いてあって、そのまわりを寝床と作業机が囲む感じです。つまりNゲージのレイアウトが主役の生活ということに相成ってしまいました。

w03k-s-ootsuka01.jpgで、こんな広大なスペースが出来ればやはり最初にやってしまう事はただ一つ。「とりあえず何か走らせてみたい!!」と、前日買っておいたフレキシブルレールを輪っか状に数本の犬釘で敷いてパワーパックをつなぎ、モーターカーの『キシ80』をレールに乗せスタート!...これだけで数時間はお腹いっぱい状態!!翌日からは、職場に出勤しても早く帰りたくて仕事が手につかない日々が続いたのでした。
しかしあまりに無計画で、行き当たりばったりで突っ走ったので、左の写真でわかるように、なんとなくレールのカーブの度合いやポイント周辺のレールの曲線がギクシャク!街や道路の造作も『思いつき感』にあふれています。

そもそもこの時は設計図も描かずに、パネルのベニヤ板に直接サインペンで、レールの敷く位置を手書きで記しただけで作業を始めたので、赤いトラス橋で立体交差した2重のエンドレスも作業の途中で思いつくなど、急な工事で勾配も一定ではなく、ブルートレインの『はやぶさ』のフル編成は、補機のEF65-1000番台で重連にしないと登れない始末。しかし失敗を繰り返しながらも、なかなか面白いレイアウトが出来て、自分なりに大満足でした。
考えてみれば、本物の街が出来あがって行くのも、個々の地主さんの思いや、偶然や行き当たりばったりや、そこに再開発や都市整備などの行政の思惑も絡んで、違和感の中に調和があるような情景が多い物ですが、そんなリアルな感じが偶然にも表現できた気がします。

これを読んでやる気になった方!正確な設計図よりも空想と妄想を広げて自由に工夫して作ってみてはいかがでしょうか。細かい手順やコツは追ってゆるゆると記載して行きますのでお楽しみに!

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