ゆるーく嗜む鉄道模型

ウェザリング、まずは手軽な気動車の屋根から。

w03k-s-kiha82roof05.jpgお気に入りの車輌を購入して眺めていると、なにかこう模型はやっぱり模型だなぁと、感じた事はありませんか?
それは実車と違い汚れが無くピッカピカだからです!いくら洗車機にかけていても実際に運行している列車は、土誇りや鉄粉、錆、塗装の退色などかなりヤレています。
模型の場合、走らせるにせよ、飾るにせよ普段あまり目にしない屋根の部分を主に見てしまうので、この部分だけでも少し汚してみるとかなりのリアリティーが出て来ます。

しかも屋根はデリケートな車体側面や全面に比べて、実車もダイナミックに汚れていて、多少のムラや失敗はリカバリーが簡単なのもメリットです。練習作としてお勧めなのは気動車の屋根で、元々汚れにかなりのムラがあり、使用頻度によって汚れ具合いも様々。実際の汚れのメカニズムを解ってしまえば、あとはどうにでも表現ができます。

w03k-s-kiha82roof03.jpgw03k-s-kiha82roof02.jpgw03k-s-kiha82engine.jpgw03k-s-kishi80.jpgとりあえず雑誌やDVDなどで実車はどのような汚れ方をしているか、頭の中にイメージを記憶させておいて、あとはそれなりの色のラッカーを調合するか、焦げ茶や黒を、ラッカー溶剤で少し柔らかめにして筆に含ませてからタオルで軽く拭き取り、筆先をややドライな感じにさせて、要らなくなったプラ板などに軽く塗ってみて色やタッチを確認してみましょう。やってみると筆先が乾きかけの状態が、一番いいタッチになるのがわかります。コレはイラストなどで用いられる画法のドライブラシと同じ方法で、車輌の汚しには結構使える技です。この技法で屋根の表面に汚しを塗ってみると、なんとリアルなことか!


DSC06339.jpgDSC06354.jpgコツとしては、写真などを見ながらやるのではなく、飽くまでもイメージでやることです。模写するようにやるとかえって緻密すぎてリアリティーが無くなります。1/150の世界ですから、人間の通常のスケール感からいって細かい描写は、ほぼ感じ取れないので、慣れてきたら絵画と同様に大胆に筆を走らせた方がより効果があります。そしてそのとき忘れてならないのは、車輌は走行時常に前方か後方から風を受けています。排気口などの汚れはその辺りにも気を使うとよりリアルです。錆などは雨水の捌けの悪い部分に発生しやすいので、実車を見て研究するのも楽しい時間です。
DSC06662.jpgDSC06501.jpgそれともう一つ忘れてならないのは電車と気動車の違いです。電車は常に架線の下を走っていてパンタグラフが削る銅の粉が付着しますが、気動車は主に排気口から出る煤とそれに付着する油などです。その材質の違いも表現してみましょう。

また筆も使い分けた方が良いでしょう。やっていくうちに独自の使い分けをすれば良いのですが、平筆は広い面積全体を均一に汚したい時、また丸筆は先を平にカットして(専用の筆も有り)垂直にトントンと叩くように使い、限られた部分を汚す時に使います。どちらも用途に応じて筆の大きさや太さを何本か揃えておいて使い分けた方が良いと思いますが、慣れてくるとどんな場所も、お気に入りの筆1本でコナセてしまいます。ちなみにタオルやスポンジの部分や綿棒を使うこともできます。そのあたりは自分のやり方を編み出すのも楽しみ方の一つです。
このウェザリングはレイアウトでの走行には勿論、車輌のコレクションだけの人にもお勧めです。
コレクター心理としてはこのウェザリングを施した編成と、もうひと編成スッピンの編成をコレクションしておくと最高ですが......。ウェザリング、コレはハマりますよ!
慣れてきたら上の写真のように床下機器や車体側面の換気口などにもトライしてみましょう!
車種別のウェザリングについては、また追ってご紹介します。