JR九州は趣向を凝らした観光列車の宝庫。『ゆふいんの森』『あそぼーい!』『A列車で行こう』『九州横断特急』『SL人吉』『いさぶろう・しんぺい』『はやとの風』『指宿のたまて箱』『海幸山幸』と、どれも魅力あふれる列車ばかりです。
上の写真は2009年6月に気動車特急『ゆふデラックス』の前方パノラマウインドーから見た田主丸駅での大分発特急『ゆふいんの森』との列車交換の風景です。この展望席は人気が高く予約が取れない状態でした。しかしその『ゆふデラックス』はこのあと2011年1月で惜しまれつつ運転を終了しましたが、2011年6月からは内外装ともリニューアルして、豊肥本線の熊本〜阿蘇〜宮地間を観光特急「あそぼーい!」号として活躍しているようです。
九州新幹線が開通した今でも、JR九州は比電化区間が多く観光路線も気動車の列車が中心で、決してスピーディな旅行ができる訳ではないのですが、それを逆手に取って、のんびりと旅行を楽しむための工夫を車輌に施し、鉄道の旅の付加価値を上げている点が好感の持てるところです。
この『ゆふデラックス』もその例外ではなく、北海道で活躍してきたキハ183系をベースに設計された先頭車輌は、運転席を屋根裏部屋の様な場所に設け、最前列にパノラマウインドーを設置した展望室が最大の特徴で、風光明媚な九州の旅を満喫できる仕掛けになています。
またこの展望室と一般席の間には、和のテイストをいかした洒落たパーテーションがあり、開放感と落着いた雰囲気を演出しています。
この日は『長崎ハウステンボス』から湯布院へ向かうために鳥栖駅からの乗車でしたが、車内で『中央軒』の『かしわめし』や『焼麦弁当』を食べながらのんびりと風景を堪能しました。
そしてこの日の宿泊は『湯布院御三家』のひとつ『亀の井別荘』。金鱗湖畔に程近い林の中のゆったりとした空間で、のんびりと過ごしたお話はまたの機会にご紹介します。