むか〜し昔に描いた、妄想と空想が満載の一枚のレイアウトのスケッチを先日発掘しました。ここ数日レイアウト製作記を綴っているうちに、1988年頃に妄想に駆られて広大なレイアウトのスケッチを描いた記憶が蘇って来て探しに探し、ついに見つけました!出て来たスケッチは、まるで宝探しの古地図のような色合いでシミだらけ。破れないようにそっと広げてみると、そこは、夢のような有り得ない世界。
このスケッチは学生時代に住んでいた六畳一間に作った狭小スペースのレイアウトが忘れられず、社会人なって新居に移り住んだ時に、いつかまたレイアウトを復活させようと、暇な時間を使い毎日コツコツと妄想を重ねて描いたものです。
発見した時、自分としては珠玉の一枚だ!と思っていましたが、よ〜く見るとこの珠玉は突っ込みどころが満載!そもそもサイズをどの位に設定しているかが不明で、推測するに3×6メートルは軽くオーバーしていて、思い付いていきなり描き始めたこともあり計画性が皆無で、線路や建物の配置や土地の区分けも行き当たりばったり。特に線路の配置は、山岳コースや平地の長い直線や長短のトンネル、複雑な立体交差、大容量のヤードなどあらゆる設定を欲張ったので、辻褄合わせや迷いがいっぱいです。
また奥の山の上は「ほんとに?」と思うほど無理矢理な勾配と曲線があり、長い直線の駅も非現実的なものです。そのほかにもまだまだあります。橋の構造も変だし、右奥の跨線橋の存在も変。川のあり方も奇怪で、このまま行くと上流にはかなりの大きな滝がなければ成り立たないなど、突っ込みどころには事欠かないのであります。
でもそれがレイアウトの醍醐味で、現実の世界ではこんな小さなエンドレスの鉄道は無いし、元々が虚構の世界であり、表現したい多くの状況を、如何にしてだまし絵のようにトリッキィーな部分を気づかれずに隠し込むかがポイントです。その点でこのスケッチは結構突っ込みどころが露呈していますが...。
山あり谷あり、トンネルに入っては出て、河川もあり、本線、ローカル線、廃線、街、村、田畑、ヤード、ターミナル駅、ローカル駅、駅前の雑踏、田舎の静寂などなど...とにかく絵で描けば何でもありです!多少パースが狂ってようが街が歪んでいようが、願望を絵にしてみる事は実際に現実的なレイアウトを作る時には大変役立ちます。
このあと前にも紹介した『1200×2670mm』の次のレイアウトの設計と工作にこの『妄想スケッチ』かなり役立ったことは言うまでも有りません。
このように願望を全て洗い出して、何が出来て、何が出来ないのかを知ったうえで設計した方が、後悔の無い理想的で、いつまでも楽しめるなレイアウトが出来ると考えます。
これからレイアウトを作ろうと思ってる方、バンバン妄想スケッチを描いてみましょう!