この写真は1985年(昭和60年)10月16日に長崎駅前の大波止通りと桜町通りの交差点の歩道橋の上から撮影した一枚ですが、先日NHKの『新日本風土記』を見たら、今でも当時の車輌が現役で走っていて、ぱっと見はこの古い写真とほぼ変わらない風景でした。違うのは当時流行りだった直線的フォルムの乗用車くらいで、先頭の2台をプリウスに差し替えたら今の風景になってしまそうです。
上の写真の201形の209号車は、昭和25年日立製作所製で、今でも主力車輌というから驚きです。
しかし長崎駅を始め、街の建造物は近代化されても、残しておくべきものは、大事に手を掛けて残してゆく...この姿勢は、多くの自治体が見習うべきものだと感じます。
しかもこの長崎電気軌道の凄いところは、仙台の市電や、東京の都電やなどの引退した車輌を引き取って再利用し、コストを削減し全線一律120円と、全国一安い運賃で営業していることで、いわば『動く鉄道博物館』の入場料が120円といったところなのです。
また1982年の大水害で廃車になってしまった車輌がその後レストランとして活躍をしていたり、長崎の人々の愛情の深い人柄に、本当に感銘を受けました。
明治44年生まれの160形から最新の5000形まで新旧の路面電車78輌が活躍する長崎電気軌道は日本人が忘れてはならない『もったいない』精神を原動力に電車を動かす心温まる鉄道会社なのです。
車輌の詳細は『長崎電機軌道株式会社』のホームページの『車両案内』をご覧ください!