東海道新幹線が開通した当時の1960年代に、流線型の顔同士が向い合わせで連結され運用されることなど誰が想像したでしょうか...。昭和30年代に子供だった『夢の超特急』世代にとって、これはあるまじき行為に他ならないのであります。
この写真は2012年8月の東京駅21番線で長野新幹線の『あさま563号』に乗る前に撮影したもので、まさに『夢の』から、合理化という『現実』に引き戻された1枚です。
このE5系とE3系のラブラブな感じは『夢の超特急』世代には脱力感を覚えさせられる光景で、格好悪いというか不気味というか...。でも慣れてくると結構ハマってしまい、不思議な面白さがあります。日本が世界に誇る技術の粋を結集した新幹線なのに...。
こうなるとノーマル編成の『あさま563号』のE2系が、妙に寂しげな表情で、嫉妬しているようにも見えてきます。
2枚目の写真はE2系が入線する前に停車していた上越新幹線E4系ですが、この大胆な曲線同士が向かい合うと、これがまた圧巻なのです。
北の新幹線が乗り入れるようになってから東京駅は、さながら動く鉄道博物館の様相を呈しています。
雑誌などではヨーロッパの高速鉄道でも良く見かける光景ですが、ここまで流線型がシャープだと圧倒されます。理想的な空力フォルムと合理的な運用方法が作り出した昭和の国鉄時代にはなかった新しい鉄道の風景です。
3枚目の写真は高崎駅でのE4系『Maxたにがわ』と『Maxとき』の日常的に見られる連結風景です。東京駅では連結されたままで入線しそのまま出発してしまいますが、ここ高崎駅では、駅員さんがトランシーバーを片手に「前オーライ!前オーライ!2メーター。1メーター。やわやわ、やわやわ、やわやわ、やわやわ、〜停まれ、停まれ、停まれー!!」と、指令を運転手さんに出して連結させている光景が見れます。
線路上に係員がいないので、何となく不思議な感じがします。普通は(昔は?)作業委員が旗を振って合図をし、連結後には手で連結器を触って、正しく連結されたかを確認し、ジャンパ線を繋いだりと一連の動作があったのに、新幹線の連結のなんと淡白なことか...。「技術は進歩していますなぁ。」と感心してしまった次第です。一度見に行ってみては...。
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